TPO別おすすめワインタイプ シチュエーションからのワイン選び

目次

雰囲気に合わせて選ぶ

カジュアル

 立食パーティや友人との会食の席などでは、神経を研ぎ澄ませてじっくり味わうようなワインではなく、気軽に楽しめるものを選んだ方が良いでしょう。
華やかな香りのフルーティなワインや新鮮な泡がはじけるスパークリングワインは、楽しい時間をより盛り上げてくれます。
ワインを楽しむのがメインの目的となる会合でなければ、飲みやすいすっきりタイプの方がいいかもしれません。
おしゃべりに夢中になっているうちに時間が経ってしまいがちな場面では、ただでさえじっくり飲むのに適しているような重いワインでは必要以上に酸化が進んでしまいかねません。
同じ理由から、冷やして飲みたいワインはワインクーラーなどを使用して低温を維持できる状態で出しましょう。

フォーマル

 格調高いレストランを使用するような会合や結婚式のようなフォーマルな席では、あまりカジュアルすぎるワインはふさわしくないかもしれません。
ワインを選ぶ際は「どんな目的の会なのか」「その会の中でワインがどんな役割を果たすか」から考えていくと候補を絞りやすいかも。
お祝い事であればシャンパンをはじめとするスパークリングワインがまっさきに浮かびますが、その雰囲気が逆に失礼に当たる会もあるでしょう。
ぴりぴりした空気を和ませたくて出すワインが、渋くて固い「若い」ワインでは逆効果になりかねません。
迷う場合はその日の主役、もしくは主賓にふさわしいワイン、という観点で選ぶと良いでしょう。
また、(これも会の雰囲気や目的によりますが)あまりアルコール度数の高すぎるワインは避けたほうがいいかもしれません。

1人

 自室やレストランで1人のときは、もっとも自由なタイミングと言えます。
赤でも白でもロゼでもいいですし、スティルワインでも他の種類のワインでも、高級なものでもカジュアルなものでも、はじめて飲むワインでもお気に入りの一本でも構いません。
その時の自分の気分や好奇心の赴くまま、飲みたいワインを選びましょう。
澱の発生しているワインであればデキャンタージュの練習をしてみてもいいですし、普段使用しない本格的なタイプのコルク抜きにチャレンジしてもいいかもしれません。
ただ唯一注意したいのは、飲みきれない量のワインを開けてしまうことだけです。
ワインは一度開封するとどんどん酸化が進んで味や香りが変化し、ピークを過ぎれば劣化していってしまいます。
自室で1人、複数本の味を比べたりする場合には、瓶から空気を抜いて劣化を防ぐようなワインキーパーのようなグッズを何か用意しておいたほうがいいでしょう。

気温にあわせて選ぶ

暑い夏に飲みたいワインといえば、まず浮かぶのがきりっと冷やしたスパークリングワインでしょう。
ワイン内にしっかりと溶け込んだきめの細かい炭酸とバランスのよい酸味は、渇いた喉に普段以上の心地よい刺激となるはず。
また、辛口の白ワインもはずせません。
できれば気温の低い国や地域で造られた、パリッとした酸の際立つものが良いでしょう。
どちらの場合も飲んでいる途中で温度が変わってしまわないように、テーブル上でもワインクーラーなどでボトルごと冷やし続けます。
日本の夏は暑いので、「室温で」となっているワインも本当に部屋の温度にまで温まってしまうとおいしく飲めません。
18~20度くらいになるよう、冷蔵庫に出し入れして調整しましょう。

 気温がぐっと下がってからは、ワインもごくごく飲むタイプというよりはじっくり楽しめるものの方が良いでしょう。
じっくりと楽しめる、複雑な味や香りを持つ赤ワインや、シュル・リーなどコクを出す特別な手法で造られた白ワインなどがおすすめです。
アルコール度数が少し高めなフォーティファイドワインや、少量ずつ楽しめる果汁濃縮系のワインなども良いかもしれません。
注意したいのは、温度を適温に保つこと。
とにかくしっかり冷やせば良いスパークリングワインなどと違って、上に挙げたタイプのワインは室温よりやや低めくらいがおいしい温度帯であることが多く、温度管理の難易度がちょっと上がります。
外気では温度が低くなりすぎますし、人のいる部屋では暖房が効きすぎていることが多いため長く放置するのは危険です。
暖房の前や温風が直接当たる位置は当然ながら避け、ワインクーラーに水を汲んで適温まで戻しておいたものにしっかり再栓して浮かべておく、もしくはときどき冷蔵庫に戻して温度が上がり過ぎないように気を付けるなど、工夫して飲み頃の温度を保ちましょう。