キャラファージュとはなにか 定義と理由

 キャラファージュとは、ワインをボトルからキャラフェと呼ばれる専用の容器へと移すことで、空気に触れさせ酸化を進めることです。
(広義ではキャラファージュの作業も含めてデキャンタージュと呼ぶこともあります)

 ワインはボトルの中で少しずつ熟成し続けています。
その進み具合を見極めて一番良いタイミングを狙って開栓するのですが、ワインの性質だけでなく保管場所の環境、温度や湿度、さらには栓に使用されていたコルクの個体差などによっても熟成度合いに微妙な差が出てしまうため、ぴったり合わせるのは至難の業。
熟成しすぎていたら急いで飲むしかありませんが、まだちょっと未熟だなと感じる場合には、酸素に触れさせることによって熟成度合いを進めて調整することができるのです。

 また、使用していたコルクが過剰に気密性の高いものだった場合、ボトル内の酸素が熟成の進み方に対して不足してしまい、還元臭という不快臭が発生してしまうことがあります。
これは玉ねぎの腐ったような臭いとか古くなったキャベツの臭いに例えられ、そのままではとても飲むことができないほど不快ですが、他の種類のワインの異臭と違って酸化させることできれいに取り除くことができます。
この化学反応には長いと数時間かかることもあるため、グラスの中ではなくキャラフェに移して行います。

 キャラファージュはワインを酸素に触れさせることが目的なので、デキャンタージュと違って全てのスティルワインについて行う可能性があります。
デキャンタージュのような緊張感は必要ありませんが、あまり空気に触れさせすぎてしまうと逆に味わいや香りのバランスが崩れてしまうこともあるため、少しずつ進めたほうが良いでしょう。