赤ワインを一番おいしく飲むには 温度、開栓時期、グラス選びの基本

目次

常温は絶対? 赤ワインを楽しむための温度

「赤ワインは常温で」というのが常識のように言われていますが、本当はどうなのでしょうか?

 赤ワインは常温で飲む、というのが通説となっていますが、これはどんな特徴を持つワインにも当てはまるというわけではありません。
温度を上げるのはタンニンを和らげて酸とのバランスを取るため、また繊細な香りを引き立たせて感じ取りやすくするためですので、重厚なコクや濃厚な味わいのもの、または繊細な香りを持った年代物の赤ワインなどをより楽しむためには確かに当てはまります。
でも、フレッシュな酸や軽やかなボディの赤ワインの場合は、温度が高すぎると酸や香りがきつくなりすぎたり、くどく感じてしまうかも。
軽めの赤ワインは、冷蔵庫できんきんに、とまではいかずとも、やや冷たさを感じるくらい(12度前後)まで冷やした方がおいしく飲めるでしょう。
もし適温が判断できない場合は、最初は冷やし気味にしておいて、グラスに注いでから10分以上かけてゆっくりと飲んでみましょう。
だんだん温度が上がっていって味や香りが変化するので、どのくらいの温度が一番おいしく感じるかをチェックできます。

デキャンタージュ 澱への対処

ボトルの底の澱はデキャンタージュで取り除きます

 長期熟成タイプのものは、ボトルの底に澱(おり)が溜まってしまっていることがあります。
これは長い期間の間に余分な成分や酵母などが固まったもので、飲んでしまっても害はありませんが、舌触りが悪く、見た目にも良くありません。
パーティなどでこうしたワインを出す場合は、デキャンタージュを行っておくと安心です。
これは瓶の底の澱を残してワインを他の容器に移す作業で、澱が浮かび上がってこないように慎重に行う必要はありますが、一度移してしまえばあとは安心してグラスへ注ぐことができます。
瓶の底に澱と一緒に残ってしまった少量のワインは、取っておいて一人のときに目の細かい網で濾して飲むか、料理に使用するといいでしょう。

ワイングラスの選び方 赤ワインに適したグラスとは

赤ワインにはぜひボルドーグラスを

 赤ワインを飲むときのグラスは、ワイングラスの中でもボルドーグラスと呼ばれるタイプのものがおすすめ。
やや大ぶりで口元があまりすぼまっておらず、グラスを傾けてもワインが舌の一部や喉の奥にダイレクトに流れ込んでくることはありません。
舌全体で、赤ワインの複雑に絡み合ったコクや旨みを味わうことのできる形状なのです。
プロがテイスティングに使用するグラスや、ちょっと小ぶりのボルドーグラスのような形状をしたいわゆる万能型と呼ばれるタイプのものも使いやすいかも。
間違っても、貴重で高価なワインをマグカップや適当なグラスで飲むことがないように気をつけてください。
折角の味も香りもぼやけてしまい、安いワインと変わらないな、なんて感想しか浮かんでこない恐れがあります。