フランスの主要な黒ブドウ品種 赤ワイン用ブドウその1

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カリニャン(Carignan)

 スペイン原産の赤ワイン用ブドウ品種です。
かつては大量生産のワイン用として栽培されていましたが、しっかりと収量を絞って栽培することで個性が際立つため、近年は良質なワインのブレンド用に作られることが多くなってきています。
黒ブドウのなかではかなり酸味が強いほうで、タンニンはさほど強くないものの苦味もしっかりしているため、単独でワインにするのはかなり難しいとされており、AOCワインの中では、配合割合の上限を定めているケースも少なくありません。
逆に酸味が乏しいタイプのブドウとブレンドすることで、輪郭をくっきりとさせる効果が期待でき、スペイン、フランスのほか、アメリカやアルゼンチン、チリなど世界各地で栽培されています。

ガメイ(ガメ)(gamay)

 ブルゴーニュ地方のボジョレー地区で有名な赤ワイン用ブドウ品種です。
ボジョレー以外ではほとんど語られない品種といっても過言ではないでしょう。
ヌーボー以外のボジョレーワインも、99%以上がガメイから造られています。
ワイン用ブドウの中では果粒が大きく、酸味の強さと豊かな果実味が特徴です。
色はしっかりとついていますが、タンニン量は少なめで、赤ワインをあまり飲みつけない人にとってもおすすめできる、フレッシュで軽い、飲みやすいワインに適しています。
通常は炭酸ガス浸漬法(マセラシオン・カルボニック)で醸造されますが、高級なものほど浸漬期間が長くなる傾向にあり、その分タンニン量も増します。
その場合は10年を超える熟成に耐える、といわれていますが、基本的にはヌーボーなら次の年の春まで、ヌーボー以外でも1,2年のうちに飲んだほうがおいしくのめるようです。