アンチエイジング ワインに期待できる健康効果

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 アンチエイジングとは、自然に起こる老化現象のスピードを緩め、年をとっても比較的若々しい体を保つことです。
肌のはりやしみ・しわなど、美容について語られることが多いようですが、健康においても同じことが言えます。
世界でも有数の長寿国になった日本ですが、いくら長生きできても生活を楽しめる体でなければ意味がない、ということで、近年では「健康年齢」という概念についてもよく話題に上るようになりました。
若い頃と同じようにとはいかずとも、おいしいものを味わい、好奇心をもって自分の足で行動し、気の合う仲間と交流する。
ワインには、そんな「人生の健康」を支えてくれる効果がいくつもあります。

骨粗しょう症の予防

 骨の強化というと、なによりもカルシウムを摂ることが一番であるという風潮があるのではないでしょうか。
しかし、実はカルシウムだけを摂取しても骨の強化を促すことはできないのです。
骨や歯の形成には、カルシウムのほかにマグネシウムが大きく関与しており、マグネシウムがない状態でカルシウムを摂取しても骨になることができません。
それどころか、カルシウムだけを過剰摂取するとマグネシウムの排出が引き起こされ、それに伴って骨からカルシウムが溶け出すことさえあるのです。
骨粗しょう症の予防のためには、カルシウム:マグネシウムを2:1の割合で摂る必要があるとされています。
(マグネシウムが排出されやすい性質を考慮すると、1:1でもよいという意見もあります)
ワインには、土壌から吸い上げられたカルシウム、マグネシウムがともに、しかも1:1の割合で含まれています。
一日の必要量からすると微量である上に、アルコールの過剰摂取はマグネシウムの流出に繋がる恐れもあるため、飲みすぎは逆効果ではありますが、ワインは他のアルコール飲料よりも骨粗しょう症の予防に効果的な働きをすると考えられます。

眼病予防

 ワインに含まれているポリフェノールの一種、レスベラトロールには、眼の血管を拡張する作用があります。
眼球内、特に網膜の血管は非常に細く、血管の萎縮や血液の粘度の増加の影響を受けやすいといわれています。
成人の失明原因第一位である糖尿病網膜症も、糖尿病によって網膜の血管が詰まり、新しい血管を急造しつづけることで起こる病気です。
レスベラトロールは、血管を内外から拡張することで詰まりや萎縮が起こりにくくし、眼球内に十分に血液と栄養がいきわたるようにしてくれるのです。
また、同じくワインポリフェノールのアントシアニンやカテキンも、眼に良い成分として知られています。
これらの作用は、白ワインやロゼワインよりも含有するポリフェノール量の多い赤ワインのほうが、より大きな効果を期待できるでしょう。

心の健康を保つ

 ワインを楽しむことは、体だけでなく心のアンチエイジングにも大いに役立ちます。
例えば、ワインの産地やブドウの品種を覚え、自分の好きなワインを追求することは記憶力や思考能力を鍛えてくれます。
お気に入りのヴィンテージを保管し大切に飲むことも、論理的で時間軸に沿った思考が必要になります。
知らない産地、新しい製法、そして毎年の新しいヴィンテージを試す好奇心や新しい物事を受け入れる姿勢は、心を若く保つのに役立つはずです。
そしてなにより、家族や仲間とワインを飲みながら語らう時間が、新しい刺激となって心の老化を防止してくれるのです。
健康な体を保つためには、同じように健康な心を持ち続ける必要があります。
毎日の適量のワインは、体にとっても心にとっても、アンチエイジング効果をもたらしてくれる素晴らしい習慣だといえるでしょう。