ロゼシャンパーニュの醸造法 シャンパンとはその3

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ロゼシャンパーニュ 独特の手法で造られる美しいロゼ

 シャンパンや他の地域のシャンパーニュ製法のワインは、白ワインと同じブドウ果汁の色の製品と、薄赤く色づいた「ロゼ」に分類されます。
非発泡性(スティルワイン)のロゼは、赤ワインと同じように種や果皮と果汁を一緒にしておいて程よく色づいた所で分離する「セニエ法」と、時間をかけて圧搾することで果皮から少しだけ色を移す「直接圧搾法」が用いられますが、シャンパーニュ製法では瓶詰め前のブレンド・調合時に少量の赤ワインを混ぜる「アサンブラージュ法」が主流となっています。

味や色の精密調整 アサンブラージュ法の利点

 セニエ法や直接圧搾法の場合は、果汁に溶け込む色素やタンニンの量を発酵前に一度で判断せねばならず、発酵による味や色の変化によって設計どおりに仕上がらない恐れがあります。
その点、アサンブラージュ法では、一次発酵が終わった後のワインを色味や味を確認しつつ調合することができるため、より精密な調節が可能となっています。
そのため、ロゼシャンパーニュのなかでアサンブラージュ法以外の製法をとっているものはあまりありません。

シャンパンだけなのはなぜ? アサンブラージュ法に関する制限とは

 ではなぜスティルワインやシャンパン以外のスパークリングワインは、アサンブラージュ法を採用しないのでしょうか。
実は、AOCの規定でロゼワインの製造にアサンブラージュ法が認められているのは、シャンパンだけなのです。
しっかりとタンニンや香りの溶け込んだ赤ワインをブレンドするため、ロゼシャンパーニュは通常のシャンパンよりもコクのある、深い味わいになります。
ヨーロッパのロゼワインの中では、ロゼシャンパーニュは独特のものであると言えるでしょう。