シャンパーニュのAOC

シャンパーニュ地方には村名や畑名のAOCはなく、全域で使用されるものが3つあるだけです。

  • シャンパーニュ(Champagne) スパークリングの白、ロゼのみ
  • コトー・シャンプノワ(Coteaux Champenois) スティルワイン
  • ロゼ・デ・リセイ(Rose des Riceys) スティルワインのロゼのみ

 地方全体でほぼ全ての生産者がシャンパンを造っているため、その名称にかかる規定だけあればまかなえてしまうのが大きいといえます。
ただし、格付けで買い取り価格100%の村と99~80%の村から収穫されたブドウだけを使用した場合、それぞれ「グラン・クリュ」「プルミエ・クリュ」の表示が許される、同一年度のブドウのみを使用した場合、「ヴィンテージ」と表示できる、などの細かい規定はあります。

 コトー・シャンプノワは、シャンパーニュ地方内で造られたスティルワインが認められるAOCで、赤、白、ロゼ全てで使用できます。
特に赤ワインはローマ帝国時代から造られていたという深い歴史と伝統を持ちますが、シャンパンに比べてあまりに知名度が低いためか、良質なブドウが取れた年にしか造らない生産者もいるなど生産量自体がごく少なく、日本ではほとんど見る機会はありません。

 シャンパーニュ地方の南の飛び地、コート・デ・バール地区固有のAOCであるロゼ・デ・リセイは、スティルワインのロゼです。
古くはルイ14世も愛飲したというこの稀少なワインはピノ・ノワール100%で造られ、ロゼの中では濃いピンク色の水色が特徴。
スパイシーで複雑味のある味わいは、フランスのロゼワインの中でも最上級のもののひとつに数えられますが、他のシャンパーニュのスティルワインと同じく生産数が限られているため、日本ではほとんど見られません。