フォーティファイドワインの造り方 フォーティファイドワインとはその3

アルコール添加のタイミングが重要 フォーティファイドワインの造り方

 フォーティファイドワインは、基本的に途中までスティルワインと同じ工程で進みますが、発酵途中でアルコールを添加されてからは、やや異なる工程を経るものもあります。

 収穫されたブドウは茎を取り除かれ(除梗)、赤ワインの場合は破砕された上で果皮や種と果汁を一緒にし、白ワインの場合はすぐに圧搾されて果汁だけを分離します。
そして、果皮についている天然酵母か、培養され添加された酵母によってアルコール発酵が始まりますが、この工程のいずれかのタイミングでアルコールが添加されます。
ワインになりつつあるブドウ果汁内のアルコール度数が一気に高まることにより、酵母が死滅して発酵がストップ。
本来ならば分解されてアルコールと二酸化炭素になるはずだった糖分が、ワイン内に多く残留した状態が得られるのです。

 この後に経る工程は生産地によって異なりますが、樽やタンク、もしくは瓶内で数ヶ月から数年の熟成期間を取ってから出荷されることになります。
この間に独特な香味やコク、熟成した蒸留酒のような琥珀色の水色など、フォーティファイドワイン独自の特徴を獲得するのです。