ワインという飲み物の基本データ一覧

目次

ワインとは

 ワインは、ブドウ目ブドウ科ブドウ属のつる性落葉低木になる果実から造られる醸造酒です。
発祥は有史以前で(8000年前に最古の痕跡あり)、ジョージア(グルジア)のコーカサス山脈付近であると考えられています。
地中海沿岸の国々で盛んに醸造され、紀元後にヨーロッパ全域、15世紀頃の大航海時代からは全世界へと生産地が拡大。
現在は世界中で生産・消費される、アルコール飲料の一大ジャンルとなっています。

ブドウ栽培面積(2015年統計)

 ワイン造りには、主にヨーロッパ品種(Vitis vinifera)のブドウが使用されます。
世界のブドウ栽培面積は753万4000ヘクタール。
国別に見ると、1位がスペインで102万ヘクタール、2位中国83万ヘクタール、3位はイタリアとフランスが同順で78万ヘクタールと並んでいますが、中国はほとんどが食用ブドウとなっているので、ワイン用で見れば上位はヨーロッパが独占している状態です。
灌漑を取り入れることで新しくブドウ産地として開発されている地域もあるにはありますが、地球温暖化の関係でいままで通りの方法での栽培が難しくなってきている地域もあり、全体としては栽培面積、収穫量共に微減傾向が続いています。

ワイン生産量(2015年統計)

 全世界のワイン生産量合計は、2757万キロリットルです。
これは、世界人口を72億人として人数で割ると、一人当たり約3.83リットルずつの割り当てになる量です。
世界生産量は1970年代にピークを迎えた後、ここ半世紀ほどは細かな増減を繰り返すほぼ横ばい状態となっています。
ここ数年は特に中国の急速な発展などにも伴い消費量も増加していますが、気候の変化などに押され生産量が伸び悩んでいるようです。
国別で見ると、イタリアが1位で489万キロリットル、続いてフランス474万キロリットル、スペイン366万キロリットルとなっており、順位はやや前後するものの栽培面積に順ずる結果となっています。

年間ワイン消費量(2013年統計)

 生産されたワインは相当量が熟成・貯蔵に回りますので、世界の年間消費量累計は正確にはわかりませんが、販売数などを元に数値を算出すると約2500万キロリットルになります。
今世紀に入るまでしばらくは生産量のほうが多く、ストックが増えていく傾向にあったのですが、近年急激に増える消費量に生産量の伸びが追いついておらず、均衡した状態が続いているようです。
国別の消費量では、1位がアメリカで約291万キロリットル、2位フランス約281万キロリットル、3位イタリア約217万キロリットルとなり、以外にもアメリカがトップという結果になっています。
また、4位ドイツ約203万キロリットルの次は中国が5位にランクイン。
やや差が開いて約168万キロリットルではありますが、順調にワイン消費国として存在感を増してきています。
ただ、これは国全体での話ですので、当然ながら人口の多い国ほど上位に入りやすいデータです。
一人当たりの消費量(2014年統計)では、1位はなんとバチカン市国(54.26リットル)。
聖餐(ミサ)などでの儀式的な消費量が多いのと、人口が819人と少ないのが主因のようです。
2位以下も、アンドラ(46.26リットル)、クロアチア(44.2リットル)、スロベニア(44.07リットル)と意外な小国が続き、5位でようやくフランスが登場(42.51リットル)。
総消費量では1位のアメリカは1人あたりでは10.25リットル、中国に至っては1.8リットルとなっており、ヨーロッパとの浸透率の差がわかる結果となっています。
ちなみに、日本は一人当たり2.3リットル。
昔に比べればかなり一般的に飲まれるようになったとはいえ、まだまだヨーロッパ諸国には比べるべくもないようです。

ワインの成分

 ワインは蒸留を行わない醸造酒で、アルコール度数も平均11~12%ほどなので、成分の80%前後は水になっています。
アルコールと水を除いた数%が味や香りを構成する成分となっており、リンゴ酸やコハク酸などの有機酸、果糖やぶどう糖などの糖類、タンニンやアントシアニンなどのポリフェノール、カリウムやナトリウムなどのミネラル類などが含まれています。
また、香り成分のエステル類などはひとつひとつの量としてはごく微量なのですが、種類がすさまじく多く、数百種類もの香り成分が含まれています。
なかには単体で嗅ぐと不快なタイプの香りも混ざっていますが、これらが一体となることで絶妙なバランスを生み出し、あの複雑で芳しいワインの香りが形成されているのです。