殺菌効果 ワインに期待できる健康効果

 ワイン、なかでも白ワインと相性のよい食べ物としてよく名前が挙がるもののひとつに生牡蠣があります。
特にフランス北部のシャブリ地方で良質なシャルドネから造られる白ワインは、牡蠣と非常に相性のよいワインとして認識されているのではないでしょうか。
しかし、実は白ワインと生牡蠣をはじめとする生の海産物との相性の良さは、味わいだけに限ったことではないのです。

 白ワインにはリンゴ酸や酒石酸、乳酸などの多くの酸が溶け込んでいます。
pH値も赤ワインよりも低い2.5~3.5。
これは、レモンや梅干並みのpH値であるといえます。
そのため、白ワインには強い殺菌効果が備わっています。
1997年にメルシャンの研究所で行われた実験では、培養したサルモネラ菌10万個を10分で、より生命力の強い大腸菌も20分ほどで完全に殺菌できたとされています。
もちろん、培地や実験容器の上と体内では状況が大きく異なり、まったく同じ結果が通常の飲食でも得られるというわけではありませんが、食中毒により強い警戒が必要な生の魚介類を食べる際に、リスクを軽減してくれることは間違いありません。
より確実な抗菌作用を期待するのであれば、食べる前に食材を白ワインに10分以上漬け込んだり、ふりかけた後でしばらく置いてからふき取るなどの処置を行うと良いでしょう。

 ちなみに赤ワインも、白ワインに比べると殺菌効果は落ちますが、白ワインと同じ条件でサルモネラ菌を20分で完全殺菌するほどの能力を持っています。
料理に使用すると色が移ってしまうため使い勝手は落ちますが、夏場にちょっと気になる食材を食べる際には赤、白問わずにワインを選んだほうが良いといえるでしょう。