グルナッシュ 世界的に主要な赤ワイン用ブドウその6

目次

グルナッシュとは

 主にスペインで栽培されている品種です。
単体で使用するとのっぺりした感じになりがちなので、ブレンドとして使用されることが多いのですが、表舞台にはあまり立てないわりに重要な品種としてよくワインの解説本などに登場します。
その理由は、サブとしてブレンドされた場合の性質にあります。
グルナッシュは特別目立った特色はないのですが、逆に適度な酸や果実味、邪魔にならないタンニンなど、個性派のブドウのおろそかにしがちなベースを備えており、ブレンドすることで相手の個性を尊重しつつ、品質を底上げする能力を持っているのです。
また、比較的栽培に手がかからないことや、ある程度以上の暖かい土地であれば順応することなどもあり、今では世界で最も生産量の多いワイン用ブドウとなっています。

 主役を支える名脇役として大活躍のグルナッシュですが、単体でワインにできないわけではありません。
色も個性も薄いワインになるという性質は、逆に水代わりに飲まれるテーブルワインとしてはぴったりな特徴でもあります。
また、栽培の際に水気を極限まで切って収穫量を制限して造ると、例外的に果実味の濃厚などっしりしたブドウを実らせます。
長期熟成に向くワインではありませんが、早飲みワインとしては十分楽しめるポテンシャルを持っています。