ワインを注ぐ際に気をつけたいマナー
無事に栓を抜いたあとも、気を抜くわけにはいきません。
ワインをグラスに注ぐ際にもいくつか気にするべきマナーがあるからです。
ボトルをグラスに触れさせない
ワインを注ぐ際は、グラスとボトルを接触させないようにしましょう。
ガラス同士が触れ合うカチカチという音を鳴らさない、という一般的なテーブルマナー以上に、グラスの破損を避けるためというのが大きな理由です。
高級なワイングラスは繊細な細工が施されているものも少なくないため、ちょっとした衝撃でひびが入ったり欠けてしまう可能性もあります。
乾杯の際にグラス同士を触れ合わせないのと同じように、ボトルをしっかり支えてグラスの縁から浮かせた状態で注ぎましょう。
なお、ワインボトルは底の方を片手で持って扱うイメージがありますが、それはルールやマナーではありません。
首の部分を片手で握り締めて注ぐようなあまりに下品なものでなければ、ボトルが安定する持ち方を優先しましょう。
ラベルは上に向けて
ワインに限らず、瓶からお酒を注ぐ場合はラベルが上向きになっているようにするのがマナーです。
もともとはラベルが見えるように注ぐことで、誤魔化さずに注文された通りの酒であるというのが確認できるようにするためのルールでした。
現在では本来の意味は失われ形式化していますが、良いワインであるほどグラスに注がれているときにも確認できるとうれしいものです。
また、ラベルを上向きにしてあればボトルを上げ下げしたときに雫でうっかり汚してしまう可能性も小さくなります。
記録やコレクションのためにラベルを持ち帰る方も少なくありませんので、こうしたちょっとした気遣いが喜ばれるかもしれません。
トーションを活用する
ワインのサービスの際に使用する白い布を、トーション(torchon)と言います。
ワイン専門店などでトーションとして売られているものもありますが、ようは柔らかくて清潔感のある白い布巾のことです。
ワインを注いだ際に垂れてきてしまう雫が布や服を汚してしまわないようにさっと拭ったり、開栓前にボトルを拭ってほこりを落としたりと、ワインをサービスする際にゲストが不快にならないよう様々に使用されます。
注ぐ際の雫はボトルを上げる瞬間に捻るようにすることで防止するテクニックもありますが、トーションを使用したほうがより確実です。
また、よく冷やしたワインを扱う際は、手のひらから熱が伝わってしまわないようにトーションを噛ませて持つと良いでしょう。
どの使い方をする場合も、トーションが実際に清潔であるのはもちろん、染みや汚れのない「清潔に見える」ものを用意するのがマナーです。