デキャンタージュのやり方 基本とコツ
デキャンタージュの手順
- できればワインは1日以上静置し、澱を沈めておく
開栓まで時間がない場合は、パニエなどに寝かせて少しでも澱を下方へ寄せておく - ワインを動かして澱を舞い上がらせないように気を付けながら、慎重に開栓する
オープナーはてこがついているタイプを使用するとやりやすい - ろうそくか小さな懐中電灯を立てて点灯しておく
- 両手でボトルをそっと持ち上げ、ボトルの底部を右手でしっかり持つ
脇をしっかり締めて持ち、瓶を極力動かさないように - 左手でデキャンタの首を持ち、軽く傾ける
- 左手の親指を立ててそこにワインボトルの首をのせて支え、右手の手首の動きでゆっくりとワインを注ぐ
この際、設置したろうそくや懐中電灯でボトルの肩の部分を下から照らし、上から覗き込みつつ行うと澱の動きがわかりやすい - 澱がゆっくりと肩へと移動し、肩から首へと行きかけた瞬間に注ぐのをやめる
デキャンタージュのポイント
澱は一度舞い上がってしまうと再度沈殿させるのに何時間もかかるため、最初から最後までできるかぎりボトル内のワインを動かさないように行う必要があります。
特に難しいのはコルクを抜く時です。
T字型のものだとさらに難易度が上がってしまいますので、まずはてこのついたタイプのものを用意しましょう。
スクリューを埋め込むときも、コルクを持ち上げるときも、焦らずにゆっくりと時間をかけて進めます。
コルクが抜ける時に勢いがついてしまわないよう、抜けかけの時の力加減は特に注意が必要です。
コルクが無事抜け、ボトルを持ち上げた後は脇をしっかりと締めておきます。
脇があまいと手が震え、動きも予期せぬものになってしまいがちです。
ボトルとデキャンタに高低差をつけて細く注ぐのはデモンストレーションとしては見事ですが、あまり意味はありません。
左の脇もしっかりと締めて親指を立て、そこにボトルの首を部分を乗せることで、底面と首の2点で支える形になり、より静かに進めることができます。
ワインをボトル側に戻す動きをすると対流ができて澱が上がってしまうため、ワインを注ぎ始めたら途中で止めることはできません。
慎重にスピードをコントロールしつつ、注ぎ終わりまで一息で行いましょう。
公式な場でプロとして行うのでない限り、多少の失敗は気にする必要はありません。
澱がたくさんデキャンタへ移ってしまったら、グラスへ注ぐ際に目の細かいメッシュを通しても良いのです。
ただ、金属製だとワインの味や香りに影響を与えてしまう可能性があるので、樹脂製か人工繊維製のもの(アルコールや酸に弱くないもの)を使用しましょう。
瓶に澱と一緒に残ってしまうワインが惜しいと思うと、注ぐのをやめるタイミングを逃してしまいがちです。
これも濾して飲むことができますし、あとで澱ごと料理に使うなどすることもできますので、思い切り良く切り上げましょう。