シャンパンの格付け シャンパンとはその4
ブレンドが前提のはずなのに? シャンパンの格付けについて
その名称を使用している時点で、すでに一定の基準をクリアしていることが証明されているシャンパンですが、実はその中でもさらに格付けがあります。
とはいえ、造られるシャンパンそのものは、使用するブドウや一次発酵を行った後のワインをシャンパーニュ地方内で、さらには年度を越えてブレンドしていくため、大きな差はありません(もともと「大きな差をなくす」ために採用されている手法です)。
ただ、フランスのほかの地方と同じように、ブドウを生産する場所には格付けがなされているのです。
グラン・クリュとプルミエ・クリュ
シャンパーニュ地方の格付けはちょっと特殊で、「畑単位ではなく村単位」で、「上位の村を基準としたブドウ買取価格のパーセンテージ」によって格付けがなされています。
つまり、最高格付けの村で取れたブドウに「100」の買い取り価格がついた場合、ひとつ下の格付けの村の同じブドウには「99」の価格がつく、という具合です。
最高価格(相対的に100%)がつく村を「グラン・クリュ」、それ以下の価格(相対的に99~80%)がつく村を「プルミエ・クリュ」と呼び、前者のブドウだけを使用して造られたシャンパンは、ラベルに「グラン・クリュ」の表示をすることが許されます。
良質なブドウが採れた年だけの栄誉 最高級格「ミレジメ」
また、シャンパンは基本的に複数年度の原酒ワインをブレンド・調合(アサンブラージュ)して造られますが、良質なブドウが採れた年には例外的にその単一年度のブドウのみを使用して造られる事もあります。
これは「Millésimé(ミレジメ)」と呼ばれ、一般的なシャンパンのティラージュを行ってからの瓶内発酵・熟成期間(最低15ヶ月)よりさらに長い36ヶ月(3年)以上の熟成期間を義務付けられますが、ラベルにブドウの収穫年とともに「Millésimé」と表記することが許されます。
ミレジメは、多くの時間と労力をかけて造られるシャンパンの中でも、最も上質で貴重なボトルであると言えるでしょう。