ノース・コースト カリフォルニアの産地と主要AVA1

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ノース・コースト(North Corst)

 ノース・コーストは、カリフォルニア州の主要なワイン産地のうち、最も北の海岸側に位置する地域です。
アメリカ全域の約半数である800ものワイナリーが集中しているという、カリフォルニア州のみならず全米で最も重要な生産地であるといえます。

ナパ・カウンティ(Napa County)

 いわずと知れたカリフォルニア北部の超重要地域です。
東西を2つの山脈に囲まれ、日照によって上部の空気が上昇する際にストローのように南部から冷たい海風を吸い込むため、北部以外はかなり冷涼な気候になっています。
逆に、山の頂上付近の斜面は日当たりが非常に良く、日中はかなり気温が上昇しますが夜間は標高の高さから気温がかなり落ちるため、昼夜の寒暖差が大きくブドウの品質と複雑味を高めてくれます。
さらに、長い長い時間をかけて堆積した地面を古代の川が削ってできた土壌は場所によって地質が大きく変わり、気候と合わせてナパのワインをバラエティに富んだものにするのに一役買っています。
近年は「ブティック・ワイナリー(Boutique Winery)」と呼ばれる小規模で少量の高級ワインを造る生産者が増えてきており、(大規模ワイナリーもそれなりにあるにもかかわらず)地域全体が高級化してきているようです。
実際、生産量ではソノマ・カウンティの半分ほどしかありませんが、販売価格ではカリフォルニア全体の20%以上を稼ぎ出しているという説もあります。
「A.V.A.ロス・カーネロス」は、ソノマと東西に共有しており、良質なスパークリングワインの産地となっています。

主要なA.V.A.
  • ナパ・ヴァレー(Napa Valley)
  • オークヴィル(Oakville)
  • ダイヤモンド・マウンテン・ディストリクト(Diamond Mountain District)
  • セント・ヘレナ(Saint Helena)
  • ヨントヴィル(Yountville)
  • スタッグス・リープ・ディストリクト(Stags Leap District)
  • ロス・カーネロス(Los Carneros)

ソノマ・カウンティ(Sonoma County)

 近年、ナパに負けず劣らず日本での人気を増してきている地域です。
カリフォルニアでワインの商業的な醸造が始まった頃からブドウ畑が開かれ、19世紀には多くの成功者を生み出しました。
海側から流れ込む寒冷な空気と霧で、寒冷地用品種の栽培が盛んな南部と、内陸で冷たい空気の影響を受けにくい北部で、適するブドウが大きく変わるのが特徴のひとつ。
面積がナパよりかなり広く、カリフォルニア全土の約8%に届く生産量を誇ります。
ナパと同じく、ブティック・ワイナリーが増えてきているようです。
カリフォルニアでまだブドウ栽培が始まったばかりの頃に畑として開拓された、歴史的に重要な地域でもあります。
現在は白ワインの栽培が特に盛ん。

主要なA.V.A.
  • アレクサンダー・ヴァレー(Alexander Valley)
  • チョーク・ヒル(Chalk Hill)
  • ナイツ・ヴァレー(Knights Valley)
  • ソノマ・コースト(Sonoma Coast)
  • ソノマ・ヴァレー(Sonoma Valley)
  • ロス・カーネロス(Los Carneros)

メンドシーノ・カウンティ(Mendocino County)

 メンドシーノ・カウンティは、ノース・コートの最も北に位置する、カリフォルニア最北のワイン産地です。
特にアンダーソン・ヴァレーは時に行きすぎではないかと思うほど寒冷な気候を見せ、ドイツ系の白ブドウ品種との相性がよい土地とされています。
全ブドウ畑の1/4が有機認証を受けており、シャンパーニュ地方のヴァレー・ド・ラ・マルヌ地区(Vallée de la Marne)やコート・デ・ブラン地区(Côte des Blancs)に多くの畑を持つシャンパーニュ・メゾンのルイ・ロデロール社(Louis Roederer)によって生産される、洗練されたスパークリングワインで知られています。

主要なA.V.A.
  • メンドシーノ(Mendocino)
  • アンダーソン・ヴァレー(Anderson Valley)