日本の地域データ 位置、歴史、気候など

目次

日本とは

 日本はユーラシア大陸の東側、太平洋に浮かぶ細長い島国です。
北海道、本州、四国、九州、沖縄、そしてその周辺にある多数の島々からなる細分化された山がちな国土を持ちます。
四方を海に囲まれていること、大陸のある西側以外は対岸までにかなり距離があること、そして17世紀から19世紀半ばまで外国との交流を大きく制限する鎖国政策を取っていたことなどから独特の文化が発展し、ワインの普及や醸造の開始は世界的にももっとも遅いほうであるといえます。
現在、生産数上位5社が総生産量の8割以上を占める状況ではありますが、北は北海道、南は九州の宮崎県まで、広範囲にわたって小規模なワイナリーが続々と誕生し、ブドウ栽培、ワイン醸造を始めています。
中でも主要な生産地としては、北海道、山形県、長野県、山梨県が挙げられます。
テロワール的にはブドウ栽培にあまり向かない、不利な環境条件の地域が多い日本ですが、ブドウ栽培や醸造の技術の向上、日本の環境に適応する品種の開発などによって、徐々に品質化向上しつつあり、世界的な注目度も上がってきているようです。

日本のワインの歴史

 日本にヨーロッパ系品種のブドウが伝わったのは、10世紀以前、恐らく平安時代にまで遡るのではないかといわれていますが、広く栽培されることなく記録にも残っていません。
これは日本の気候がワイン用のブドウ栽培には不向きだったからだと考えられています。
その後、自然交配を繰り返して環境に適応した「甲州」が発見されますが、これも観賞用・食用としてしか植えられず、結局ワインの醸造のスタートは、鎖国が解かれ明治時代に入った19世紀末からでした。
しかも、独自の醸造酒である日本酒が広く普及していたことや食文化の違いから、本格的なヨーロッパのワインは需要が伸びず、一般的に受け入れられたのはワインに蜂蜜などを混ぜて飲みやすくした今で言うワインカクテルだけだったため、ワインといえば甘いものという常識が定着してしまいます。
そのため、ワインそのものの品質向上の工夫などはほとんど行われることはなく、日本において他国に倣った先進的なワイン造りが始められたのは、戦後幾度かのワインブームを経た1970~80年代頃。
日本のワイン造りは諸国の中でももっとも遅れているグループに属している状態ですが、逆に考えればその分の伸び代も大きく、今まさに成長期の真っ只中にあるとも言えます。
実際、主要な生産地では国際的なコンクールで入賞するワインも増え始めており、世界のワイン界における存在感も少しずつ大きくなってきました。
変化が早い分、どうしても過去のイメージにひっぱられがちですが、急激な変化を続ける国産ワインは、注目する価値のあるものだと言えるでしょう。

 日本ワインの歴史の詳細は、「ワインの日本伝播と普及 日本のワイン飲用史」「ワインが日本で造られるまで ワイナリーの日本史」をご覧ください。

日本のテロワール

 日本の領土は北緯20~45度、東経122~153度という範囲に細長く広がっています。
また、山岳地が全体の約7割に及び、高度や地形などが変化に富むこともあり、地域ごと、季節ごとの気候の差が大きく、テロワールも様々です。
ただ、「夏冬の気温差が大きく厳しい気温になる地域も少なくない」「初夏に梅雨があり湿度が高まる」「平野部には粘土質など水はけの悪い土地が多い」「収穫期に大雨や台風が重なることが多い」など、全国的にブドウ栽培にとってはマイナスになる特徴を持つ地域が多く、これが近年まで日本でのワイン産業の発展を阻む原因となってきました。
現在では需要の伸びに合わせて栽培手法などの研究も進み、各地で良質なブドウが作られるようになってきています。