ルシヨン地方

 ルシヨン地方(ルーション地方)は、フランス全体の主要なワイン産地中でも最も南側に位置し、スペインとの国境に触れる地域です。
そのため、フランスというよりスペインに近い特徴を持つ部分もあり、独特の文化を形成しています。
ラングドック地方よりも南に位置するため、全体的に風味やアルコール度数の強いワインが多く、品質の高くないものは濃厚すぎて「きつい」と表現されることも。
高品質なものは10年以上の熟成に耐える堅牢なワインになります。
ルシヨン地方の特徴で忘れてはならないのが、ヴァン・ド・ナチュレル(Vins doux Naturel/VDN)です。
ラングドック地方でも造られていますが、ルシヨン地方ではさらに規模が大きく、AOCの半数以上がVDNで占められています。
また一部地域では、ブドウ果汁にブランデーを加えて熟成させる甘口ワインであるヴァン・ド・リクール(Vin de Liqueur/VDL)も生産されています。
フランスのフォーティファイドワイン生産におけるもっとも主要な産地であるといえるでしょう。