デザートワインを一番おいしく飲むには 温度、開栓時期、グラス選びの基本
貴腐ワインやアイスワインなどの果汁濃縮系ワインは、完熟した果物やものによってはジャムに近いほどの高い糖度を持っています。
甘味は温度が高くなると感じやすくなるため、これらの極甘口ワインは常温付近では必要以上に甘さを感じて飲みづらいものが多く、基本的に冷やして飲むものとされています。
しかし、あまり冷やしすぎるとこんどはせっかくの香りが閉じてしまうため、味わいと香りのバランスをとれる温度にあわせるのが重要です。
適切な温度は糖度によって変わりますが、およそ8~12度の間くらいが良いようです。
ボトルごと冷蔵庫でしっかり冷やす場合は、飲み始める少し前に出して温度を戻しておくといいでしょう。
糖度や粘度の高い果汁濃縮系ワインは、スティルワインなどに比べて酸化しにくいため、開栓後のキャラファージュなどの調整は必要ありません。
温度が低すぎて香りが感じにくい場合も無理にグラスを回したりせず、少し置いておいて自然に適温になるのを待ったほうがいいでしょう。
果汁濃縮系ワインは少量ボトルで販売されていることが多いのですが、それでも甘すぎて一度では飲みきれない場合がほとんどです。
しかし、だからといって購入や開栓をためらう必要はありません。
スティルワインなどはワインセーバーなどを使用しないと開栓後の保管は難しいのですが、果汁濃縮系ワインの場合は再栓して冷蔵庫などで保管すれば、2週間から1ヶ月程度は劣化の心配なく飲むことができるのです。
貴腐ワインやアイスワインは、フルーツやケーキレベルの甘さがあるため、一般的なワイングラスのような大きなグラスは適しません。
また、一気に喉に流し込むようなあおり方をするのではなく、少しずつ香りを楽しみながら飲みたいため、小さくてもショットグラスなども合わないようです。
フォーティファイドワインと同じように、「シェリーグラス」や、小ぶりの「テイスティンググラス」、蒸留酒やリキュールを楽しむための「コーディアルグラス」などを使用しましょう。
また、トカイ・エッセンシアのように専用の匙を使用することもあるようです。
いずれの場合も、注ぐ量が少なくなるほどグラスの温度に影響を受けてしまうので、ワインだけでなくグラスもしっかりと冷やしておくのがポイントです。