イタリアソムリエ協会(AIS)

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イタリアソムリエ協会(Associazione Italiana Sommellier/AIS)

 日本におけるソムリエ資格は、呼称認定資格、いわゆる民間資格です。
国の定めた資格試験などを受けるのではなく、日本ソムリエ協会(JSA)や全日本ソムリエ連盟(ANSA)が用意したカリキュラムや試験を経て、それらの団体によって認定を受けます。
しかし、イタリアのソムリエ資格はフランスと同じく国家資格です。
イタリア政府が国として認めるライセンスになるので、国外においても比較的強い効力を持つとされています。
そして、イタリアにおいてその認定や管理を行っているのがイタリアソムリエ協会(Associazione Italiana Sommellier/AIS)です。

 AISはミラノに本部を置いており、発足は1965年。
1973年には政府公認の団体として認定され、現在までイタリア国内のソムリエ資格の認定や管理、そしてその業務のサポートを行ってました。
大きな特徴として、イタリア全土に150ある国内支部はもちろん、ドイツ、イギリスなどヨーロッパのいくつかの国と、アメリカ、そして日本にも海外支部があります。
国内だけでなく世界中のあらゆる地域で、イタリアワインの知識を持ったソムリエの増加と普及に努めているのです。

イタリアのソムリエ資格

 イタリアのソムリエ資格は国家資格ですが、日本のソムリエのように業種や従業年数による制限はなく、飲酒が認められる年齢であればだれでも取得にチャレンジすることができます。
AISに申請をすると、まずワインに関する知識や技術を身につけるための3レベルの講義(「ソムリエとしての基本知識・サービスの仕方・テイスティングについて」「テイスティングテクニック・イタリア及び世界のワイン産地について」「料理とワインの合わせ方」)をうけることになります。
すでにワインに関連する職種についていることを前提とするJSAの資格試験と異なり、いっさい未経験でも一から学べるようなプログラムになっており、講義を受ける頻度にも寄りますが、通常修了までに2~3年程度の期間を要します。
そして、全ての講義を受けた後に試験に合格することで、ソムリエの資格を取得できるのです。
さらに、ソムリエ資格取得後にレストランや販売店などで実際に資格を使用して働いた場合には、その実績をソムリエ協会に申請することで「プロソムリエ」の称号を得ることもでき、アマチュアソムリエとの経験の差を示すこともできます。

 ソムリエ資格講座は、イタリア本国では通常1年半から3年かけてゆっくりと受講しますが、海外から資格取得を目指してやってくる人のために、6~7週間で一気に受講できる短期集中コースも2004年から開かれています。
また日本の場合は、イタリアソムリエ協会の日本支部が提供するソムリエ講義のためのツアーや、日本国内で開催される同一内容の講義なども用意されています。
ツアーはイタリア滞在中のホテルやアパートはもちろん、期間中の食事や日本語の通訳もついていますし、日本での講義と試験は翻訳された状態で受けることができるので、イタリア語を習得していなくても資格を取得できるようになっています。
同じ国家資格のソムリエ資格でも、フランスとはかなり異なる積極的な姿勢であるといえるでしょう。