ポートワインの定義と種類 フォーティファイドワインとはその4

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ポートワイン

 ポルトガル北部のポルト地方で造られているフォーティファイドワインを、ポートワイン、もしくはポルトワインと呼びます。
産地や熟成場所がD.O.P.(原産地名称保護)によって定められているため、他の国や地域で造られる同タイプのワインは「ポートワイン」を名乗ることはできません 添加する中性アルコールは77度、最終的な度数は19~22度であることなどが、製造上のルールとして規定されています。

 ポートワインはその色や熟成方法などの特徴によって、以下の3タイプに分類されます。

ルビータイプ
  • ヴィンテージ・ポート(vintage port)

    ポルト地方で栽培されたポート向けのブドウのうち、特に良質なものから造られる高級なポートワインです。
    樽熟成を行ったあと、ブドウの収穫から数えて2年目の7月~3年目の6月の間に、濾過を行わずに瓶に詰められ、その後は長期間の瓶内熟成を経ます。
    そのため、ポートワインの中で唯一デキャンタージュを行う必要があるタイプです。

  • レイト・ボトルト・ヴィンテージ・ポート(late bottled vintage port/LBV)

    ヴィンテージ・ポートに次いで良質なブドウが原料となるワインです。
    こちらは瓶詰め前に濾過が行われますが、その代わり樽での熟成期間が長く、ブドウの収穫から数えて4年目の7月~6年目の年末までの間に瓶に詰められます。
    ヴィンテージ・ポートよりも、樽の香りや色の影響を強く受けた酒質になります。
トウニータイプ
  • 熟成年数表記トウニーポート(tawny with an indication of age)

    トウニーとは、樽熟成によってつく褐色の水色のこと。
    熟成年数表記トウニーポートは、樽での熟成年数の異なるワインを混ぜるため、使用したワインの平均樽熟年数(10年、20年、30年、40年)を表示します。
    濾過はされますが、瓶詰め後もスティルワインに比べれば長く熟成が可能なため、高価なものであれば50年~60年以上の熟成を経ているものも。

  • コリエイタ(colheita)

    複数の樽からのブレンドを行わないタイプのトウニーポート。
    こちらは樽での熟成年数ではなく、ルビータイプのポートワインと同じようにブドウの収穫年度を表示します。
    樽での熟成年数を7年以上取っている必要があります。
ホワイトタイプ
  • ライト・ドライ・ホワイト・ポート(light dry white port)

    白ブドウ品種を使用した、白ワインタイプのポートワインです。
    スティルワインの白が赤よりも低温で発酵させられるのと同じように、低温長期発酵を行います。
    添加するアルコールはブランデーを使用し、最低アルコール度数が16.5度に設定されている、フォーティファイドワインにしては珍しい辛口であるなど、他のタイプとは一線を画すポートワインといえます。
    (ホワイト・ポートのなかには、甘口のものも存在します)