モリーゼ州 中央イタリア5
モリーゼ州(Molise)は中央イタリアのもっとも南側に位置する州です。
ラツィオ州(Lazio)、アブルッツォ州(Abruzzo)、プーリア州(Puglia)、カンパーニア州(Campania)に州境を接し、アドリア海に面しています。
北東のヴァッレ・ダオスタ州(Valle d'Aosta)に次いでイタリアで二番目に小さな州で、ワインの生産量もかなり少なくなっています。
州として独立したのは第二次世界大戦後、1963年になってからであり、それ以前はアブルッツォ州と同一の地域でした。
そのため、ワインに関する歴史的にも独自のものはまだほとんどなく、これから発展していく新しい州であるといえます。
アブルッツォ州と同じように平地のほとんどない斜面がちな地形で、テロワール的には悪くありませんがブドウの栽培やワイン造りはあまり発展していません。
やや内陸に食い込んだ東西に長い形をしているため、高標高で大陸性気候の厳しい環境に作られた畑が少なくないのもその傾向を後押ししています。
DOCGクラスのDOPワインはなく、生産されるワインのほとんどが地元で消費されるか周辺地域へ原料ワインとして送られるため、知名度も高くありません。
しかし、20世紀後半から少しずつワイン産業の拡大や品質の向上も行われるようになってきたため、近年では高評価のワインも出てきているようです。