デトックス ワインに期待できる美容効果

目次

デトックスとは

 デトックスとは、英語の「解毒」を意味する「detoxification」の省略形で、主に体内の老廃物などを体外に排出することを指します。
「体に入った悪いものを外に出すことで復調する」という考え方は、洋の東西を問わずかなり古くから存在しており、ロゼワインの製造法の一つである「セニエ法」も、もともとは病人から血液を抜くことで病気を治すというデトックスの一種を指す言葉でした。
日本の「穢れ」「禊」の思想とも相性が良く、エステなどでも広く取り入れられています。
一時期は科学的な根拠のない似非科学的な手法を用いる業者や器具などが多数出現して問題化したことも。
基本的に人体には不要な物質を排出する力が備わっており、よほど不健康な生活をしているのでなければ外部から働きかけてまでデトックスを行う必要はないとされています。
ただし、その自浄能力を補助してよりスムーズに機能させることで、美容や健康に一定の効果を期待することはできそうです。
ワインによって得られるデトックス効果は、主にそんな「自浄機能のサポート」になります。

便秘の解消

 ブドウに含まれるリンゴ酸などの有機酸は、腸内環境を整えて善玉菌を増やし、便通を促進する効果があることがわかっています。
また、ワインに豊富に含まれるカリウムは筋肉の弛緩にも関係しており、腸の蠕動運動を活発にしてくれます。
便秘は肌荒れや体臭などの悪化のほか、いらいらなどの精神的な問題の原因にもなる、まさに美容の大敵。
ちょっとしたことで滞りがちなお通じを促してくれる効果は、うれしいサポートといえるでしょう。
ブドウ果汁に最初から含まれているリンゴ酸のほかにも、マロラクティック発酵で発生する乳酸も有機酸の一種ですので、どのタイプのワインでも効果を得ることができます。
ただし、赤ワインに多く含まれているタンニンは、腸内に膜を張ったり腸付近の血管を収縮させることで機能を低下させてしまう恐れがあるため、逆効果になってしまう可能性もあります。
便秘解消を主目的とするならば、酸味のしっかりとしたタイプの白ワインがおすすめです。

利尿作用

 前の項でも書いたカリウムは、利尿作用も持っています。
お酒と一緒に過剰にとってしまいがちなナトリウムは、血液や細胞液内の水分量を増加させてむくみを引き起こす原因となりますが、カリウムを一定以上取り入れることで一緒に尿として排出することができます。
お酒を飲んだ次の日、特に朝からお昼にかけては顔や手足のむくみが気になってしまいますが、ワインであれば他のお酒に比べてこうした心配は少なくてすみます。
また、ナトリウムに限らず老廃物の迅速な排出は美容と健康の基本。
毎日適量のワインを飲むことで、体内環境を循環しやすい「溜め込まない体質」へと近づけていくことができるかもしれません。
カリウムの含有量は、白ワインやロゼワインで約60mg/100g、赤ワインで110mg/100gほどとされているため、この場合は赤ワインのほうが有利といえるでしょう。