白ワインの醸造法 白ワインとはその4
最初に種や果皮を取り除く 白ワインの圧搾
白ワインの醸造方法は、赤ワインに比べるとかなりシンプルです。
ブドウを収穫し、残っている茎を取り除いたら(除梗)すぐに破砕・圧搾して果汁を分離します。
赤ワインとは違い、この行程で完全に皮や種、果実の固形部分などを取り除き、さらに不純物を沈殿させて取り除いてから発酵へ移ります。
こうすることで赤い色や不要なタンニンの混じらない、あの透き通った金色の水色が得られます。
低温で静かに進む 白ワインの発酵
発酵期間は赤ワインと同じ1~2週間。
果実に付着していた酵母をそのまま使用することもありますが、多くは培養された酵母を添加して安定した発酵を促す部分も同じです。
ただ、赤ワインと違って皮や種などの固形部分がないため、櫂入れしたり下部の液体を上から注ぎ直したりといった撹拌は必要ありません。
発酵温度も赤ワインに比べて低めの温度(15度前後。
赤ワインは25度前後)を保って、ゆっくりと慎重に発酵を進めていきます。
タイプ別に異なる工程 白ワインの熟成
発酵が終了したあとは、早飲みタイプは滓引きをしてステンレスやホーローのタンクで短期間熟成、長期熟成タイプは赤ワインなどと同じように樽での熟成にはいります。
樽での熟成をする場合は、コクを出すためにあえて滓をそのまま残し、さらに定期的に撹拌します(バトナージュ)。
この間にリンゴ酸の乳酸菌による分解も起こるので(マロラクティック発酵)、熟成タイプの白ワインは比較的酸味のまろやかな、赤ワインのような落ち着きを持った味わいになるのです。
赤ワインと異なる清澄剤 白ワインの完成
熟成も終わって味が決まったら、ブレンドや清澄・濾過の行程に入ります。
ここで言うブレンド(アサンブラージュ)とは、別のタンクや樽、ロット、さらには別の畑のワインとのブレンドであり、大抵の場合使用されたブドウの品種は同一のものが選ばれます。
白ワインの清澄(コラージュ)は、卵白や牛乳から抽出されるカゼイン、ベントナイトと呼ばれる粘土などが使用されることが多いようです。
いずれもワインに直接投入し、浮遊物を付着・沈殿させた後にろ過して取り除きます。
こうして完成したワインは瓶に詰められ、長期熟成タイプはコルク、早飲みタイプはスクリューキャップや樹脂製の代用コルク、短めのコルクなどで打栓され、出荷、もしくは熟成用のワインセラーへと運ばれます。